剥離剤とは、金属やガラス、プラスチックなどの表面に付着し、さまざまな条件で硬化した塗料(塗装膜)を、再度溶解または母材から剥がす(剥離)薬品の総称です。塗装剥離剤の状態は液体(一部ペースト状)で主に塗装不良品の塗料の除去や塗装用治具の塗料除去・洗浄に用いられます。
使用方法:主に加温して使用する(常温~90度程度)
液性:アルカリ性・中性・酸性(塗料及び剥離対象物の材質によって選定)
メリット:水洗時は比較的簡単な廃水処理設備で対応出来る
デメリット:剥離性能を上げる為に、一般的には加温設備が必要となる
※法規制や環境負荷の点から非塩素系剥離剤が主流となっており、非塩素系は剥離力を上げるため、薬剤+設備+使用方法の工夫が重要になります。
使用方法:基本的に常温で使用する(沸点約40度)
液性:アルカリ性・中性・酸性(塗料及び剥離対象物の材質によって選定)
メリット:剥離性能が高く引火性がない
デメリット:廃水規制が厳しく、水洗時に高度な廃水処理設備が必要となる
国内法規制:労働基準法、労安法、PRTR法、化審法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法など
剥離剤の 液性タイプ |
鉄鋼 | ステンレス | アルミニウム合金 | マグネシウム合金 | 銅 | 真鍮 | 樹脂の一部 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
アルカリ性 | ◎ | ◎ | × | ○*1 | ◎*1 | ◎*1 | ○~△ |
中性 | ○ | ○ | ○ | × | △ | △ | ○~△ |
酸性 | ○ | ○ | ◎ | × | △ | △ | ○~△ |
*1 各金属の対応製品に限る
各種剥離剤 | 特徴 |
---|---|
アルカリ性 ・RA-500 ・RA-540 |
アルミニウム材以外は万能。 錆が出にくい。 |
中性 ・RN-100 |
剥離する素材にやさしい。BOD、CODが低い。 安全性が高い。剥離性能はやや弱い。 |
酸性 ・RS-600A |
アルミニウム材の剥離に最適。 鉄、ステンレス材にも使用出来るが錆が出やすい。 |
塩素系(酸~アルカリ性) ・別途ご相談窓口へ |
剥離性能は高いが法令規制が厳しく、 高度な排水処理設備が必要となる。 |
*1 各金属の対応製品に限る
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